ブラックロックがポートフォリオ収益向上のために1~2%のビットコイン保有を正式に推奨。世界最大の資産運用会社は、この比率を価格変動への投機ではなく、リスク管理の精密ツールと位置付けている。
この方針転換は重みを持つ。ブラックロックは他社を圧倒する資産を運用しており、同社の枠組みが機関投資市場に即座に影響を及ぼすためである。
ビットコインへの投資は、株式や債券に加え相関しない資産を持つための、広範なポートフォリオの明確な一部といえる。ブラックロックはこの部分を構造的な改善のためのツールと見なしており、次の局面での価格目標への賭けとは位置付けていない。
この主張は信念というより数学的根拠に基づく。ビットコインの日々の値動きは株式や債券と一致することがほとんどない。そのため、わずかな組み入れでも、日々の全体的なボラティリティを大きく増やさずに、リスク調整後リターンの向上につながる。
CoinGeckoのデータによると、ビットコインは現在6万2716ドル前後で推移し、過去7日間で4.30%下落した。こうした値下がりは、同社が推奨組み入れ比率を2%に抑える理由そのものを示している。ビットコインに大きな値動きはつきものであるが、少しの組み入れであればポートフォリオ全体を左右することなく吸収できる。
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1~2%という範囲は精密に設定された。仮にビットコイン部分の全損があっても、ポートフォリオ全体に与える影響は1~2%で済む。一方でビットコインが活躍した年は収益にも寄与する。いずれの場合も、機関投資家が許容できる範囲内となっている。
ブラックロックでモデルポートフォリオ戦略を主導するマイケル・ゲイツ氏は、この考え方を明確に説明した。同氏は、控えめな組み入れであっても収益面に貢献し得る一方、日々のリスクの中心にはならないという。また、ビットコインを投機対象から構造的な分散資産と再定義する発言も行った。
この推奨は抽象的な理論ではない。ブラックロックはIBIT(iシェアーズ・ビットコイン・トラスト)も運用しており、2026年3月時点で470億ドル超を管理。IBITは世界最大・最多取引のビットコインETFとして公表されている。
IBITは2024年1月、米国規制当局が初の現物ビットコインETFを承認する直前にローンチ。現物ビットコインを規制下で保管しており、従来型の投資家が取引所経由で簡便かつ安全に投資できる。
この組み合わせは異例の強みを持つ。年金基金やファミリーオフィスは、ブラックロックの1~2%枠組みに従い、そのままIBITへの資金配分が可能。従来は機関投資家のビットコイン投資参入を妨げていた運用上の障壁が、市場全体で解消された。
この枠組みには、ラリー・フィンクCEOの過去の発言もあり、文化的な意味も大きい。フィンクCEOは2017年にビットコインを「マネーロンダリングの指標」と表現。しかしその後、自らの過ちを認め「誤りだった」と明言し、市場の変化を再評価する必要性を強調した。
さらに重要なのはその言語だといえる。ブラックロックは、より小規模な投資機関にも、投資委員会にビットコイン配分を説明・擁護するための語彙を提供している。特定の価格予想以上に、マイナーな資産がプロフェッショナルなポートフォリオ構築の主流手法として認知されていく一歩となる。
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