イーサリアム財団が予算を約40%削減し、職員数も約20%減らす方針を示した。これは、優先順位を絞り込んだ、より小規模かつ基金型の組織への移行を完了させる計画的な措置である。
共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、今回の削減について、効率化のためではなく意図的な選択によるものと説明した。ソラナ共同創設者のアナトリー・ヤコヴェンコ氏はさらに踏み込み、財団がスリム化することで意思決定が迅速になり、イーサリアムにとって強気材料になると主張した。
財団は、全職員のおよそ5分の1に当たる54のポジションを削減すると発表した。プロトコルの安全性、検閲耐性、プライバシーを中心とした7つのクラスター体制に再編される。
ブテリン氏は、今回の縮小を単なる効率化とは見なしていない。具体的な損失として、デベロッパーカンファレンス(Devcon)の縮小、「Privacy and Scaling Explorations」の終了、イーサリアム以外のプロジェクトの減少などを挙げた。
また、イーサリアム共同創設者のブテリン氏は、自身の理事会への影響力低下も示唆した。
財団は2025年6月に策定した財務方針で、年間支出を保有資産の15%、現金バッファーを2.5年分と設定した。2030年ごろまでに5%の基金運用水準まで段階的に移行する計画である。
イーサ(ETH)の売却を減らすため、現在はステーキングやDeFi利回りによる運用益活用を重視している。
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ブテリン氏は予算とイーサリアムの「Strawmap」との関連性を指摘した。同氏は、これはマージ以降、ネットワークの第3世代となると述べている。
同氏は、コアプロトコルの大規模刷新を完了させ、その後は新機能追加の基準を厳格化したい考え。さらなるスリム化した開発も期待する。
また、プロトコルの冗長性からAIによる自動形式検証へとシフトし、アップグレードコストを抑制していく意向も示した。
一部では今回の削減を衰退と受け止めていない。ソラナ共同創設者のヤコヴェンコ氏は、予算が絞られることで事業の集中が進むと論じる。
一方でリスクを指摘する声もある。元財団寄稿者のトレント・ヴァン・エップス氏は、コア開発向けの年間資金ギャップが約3000万ドル発生すると警告した。
ビットマイン会長のトム・リー氏は、資金危機説を否定し、民間支援者やステーキング参加者による資金供給に期待感を示した。
その見通しはすでに動き出している。直近では元財団研究員5人が独立系非営利団体Ethlabsを設立した。リー氏やイーサリアム共同創設者のジョー・ルービン氏も機関投資家向け普及を後押ししている。
イーサリアムは不安感を示した。イーサ価格は1660ドルを下回り、24時間で約5%下落。時価総額約2000億ドルで暗号資産の中で2位を維持した。
次回の財務報告やプロトコルの節目が、市場の見方を試すことになる。
ヤコヴェンコ氏の予想どおり、財団のスリム化が開発速度を上げるのか、それとも人材流出がイーサリアム史上最大のアップグレードを遅らせるのかが注目される。
