日本銀行は6月15日から16日に開く金融政策決定会合で、基準金利を1%に引き上げる見通しが濃厚となった。この水準は1995年以来となる。しかし、上田和夫総裁が入院し、会合を主宰できない状況にある中、焦点は次の一手に移る。
ロイターが実施したエコノミスト70人への調査では、94%が今月中の利上げを予想。背景には卸売物価が4月に前年同月比4.9%上昇、円は対ドルで160円を突破し、日本政府は4月下旬以降、円買い介入に11兆7000億円(730億ドル)を投じて下落を抑制している事実がある。
上田総裁(74)は6月10日に肝嚢胞感染の治療のため入院した。CNBC報道による。日銀総裁が政策決定会合を欠席するのは1998年以来となる。日経アジアによれば、会合は氷見野良三副総裁が主宰し、急性白血病と診断された内田真一副総裁が会合後の記者会見を担う予定である。
日銀が利上げに踏み切ること自体はほぼ確実だが、今後の方針をめぐり市場では疑念や懸念が残る。過去の会合では、会合後の声明や発言で市場が大きく動くケースもみられる。
野村証券の岩下真理チーフ金利ストラテジストは、ロイターに対し、日銀が今後の利上げ方針を明確に示すことを避ける可能性があると述べた。
直近のロイター調査によれば、エコノミストの4分の3超が2026年第4四半期に1.25%への追加利上げ、3分の2が2027年半ばまでに1.5%に達するとみている。
ただ、政治日程が利上げのペースに影響を及ぼす可能性もある。財政・金融緩和政策を支持する高市早苗首相は、2027年7月に2人のタカ派委員の任期満了を迎え、日銀審議委員の人事権を獲得する。
6月の利上げはほぼ織り込まれた。今後の引き締め継続は、経済環境や総裁の体調回復、高市首相の忍耐力が鍵となる。
