第一三共(4568)は現在 ¥2,566(2026年6月25日時点)、当社判断は「買い」。利益成長の鈍化懸念で株価は4年ぶり安値圏に沈んだが、証券各社は強気を崩さず、平均目標株価は現値を7割上回る約¥4,445だ。英アストラゼネカと組むADC(抗体薬物複合体)抗がん剤の成長力が評価の核。売られ過ぎた優良創薬株を、中期の仕込み場とみる。第一三共(4568)は現在 ¥2,566(2026年6月25日時点)、当社判断は「買い」。利益成長の鈍化懸念で株価は4年ぶり安値圏に沈んだが、証券各社は強気を崩さず、平均目標株価は現値を7割上回る約¥4,445だ。英アストラゼネカと組むADC(抗体薬物複合体)抗がん剤の成長力が評価の核。売られ過ぎた優良創薬株を、中期の仕込み場とみる。

第一三共(4568)株価予想|4年ぶり安値でもアナリスト目標¥4,445、ADC抗がん剤の実力は買い

2026/07/07 11:31
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ニュース概要
第一三共(4568)は現在 ¥2,566(2026年6月25日時点)、当社判断は「買い」。利益成長の鈍化懸念で株価は4年ぶり安値圏に沈んだが、証券各社は強気を崩さず、平均目標株価は現値を7割上回る約¥4,445だ。英アストラゼネカと組むADC(抗体薬物複合体)抗がん剤の成長力が評価の核。売られ過ぎた優良創薬株を、中期の仕込み場とみる。

第一三共(4568)は現在 ¥2,566(2026年6月25日時点)、当社判断は「買い」。「強気を継続」「買い継続」——株価が4年ぶりの安値圏に沈んでもなお、証券各社のレポートには前向きな評価が並ぶ。アナリストの平均目標株価は、現値を7割も上回る約¥4,445。英アストラゼネカと共同開発するADC(抗体薬物複合体)抗がん剤の成長力が、その根拠だ。利益成長の鈍化懸念で売られた優良創薬株を、いま拾う意味はあるのか。強気評価と現実の株価の落差を、冷静に読み解く。

主要株価データ 数値(2026年6月25日時点)
現在値 ¥2,566
52週レンジ(年初来) ¥2,443 〜 ¥3,625
時価総額 約5.3兆円
予想PER 約17.8倍
予想EPS 約¥144
アナリストコンセンサス 買い(強気優勢)
平均目標株価 約¥4,445

要点まとめ|3分でわかる第一三共株

  • 株価水準:上表の通り、年初来高値¥3,625から下落し、4年ぶり安値圏にある。
  • 当社判断:「買い」。アナリストの強気と7割の上昇余地、ADCの成長力を評価した。
  • キー指標:予想PERは18倍前後、配当利回りは2.8%台。次期は増収増益・増配を見込む。
  • 強気材料:ADC抗がん剤の成長、治験の好結果、抗がん剤の増産投資。
  • 弱気材料:利益成長の鈍化懸念、決算発表延期の経緯、医薬品の通商リスク。

企業概要|がん領域に軸足を移す創薬大手

同社は国内製薬大手の一角で、もともと循環器や感染症の薬に強みを持つ。会社四季報の事業構成では医療用医薬品が連結売上の約95%を占め、海外比率は約7割に達する。近年の成長エンジンは、英アストラゼネカと提携して開発するがん領域だ。とりわけ、がん細胞を狙い撃ちするADC(抗体薬物複合体)という新しい創薬技術で先行し、乳がんや肺がん向けの主力薬が世界で使われ始めている。市販薬事業をサントリーに売却するなど、医療用医薬品への集中を進めているのも特徴だ。

パイプラインは充実している。主力抗がん剤をめぐっては、乳がん向け治験で「臨床的に意義ある改善」が示され、小細胞肺がんの新薬候補が米国で画期的治療薬に指定された。抗がん剤の増産に3,000億円を投じる計画も打ち出し、需要拡大に備える。26年3月期は売上2兆1,230億円を確保し、次期は売上2兆2,800億円、営業利益3,150億円と増収増益を見込む。増配も予定しており、成長投資と株主還元の両立を図っている。

株価動向|売られ過ぎの局面

4568の値動きは、期待先行から失望への転換を映してきた。1月13日の年初来高値¥3,625から、利益成長の鈍化懸念で株価は下落基調に転じ、5月には年初来安値¥2,443を付けた。1月末には業績予想の据え置きが「物足りない」と受け止められ、3年10カ月ぶりの安値をつける場面もあった。4月には決算発表の延期と目標株価の引き下げが重なり、4年ぶり安値まで売られた。成長株ゆえに、期待の剥落が株価を大きく押し下げた格好だ。

もっとも、株価を支える材料も途切れない。抗がん剤の増産投資や治験の好結果が報じられるたびに、押し目買いが入ってきた。医薬品への関税をめぐっては、米国が猶予期間を設ける方針が伝わり、警戒がやや和らいだ。売られ過ぎの局面では、業績の実態よりも悲観が先行しているとの見方もある。安値圏での底固めと、ADCの成長期待が、株価の綱引きを形づくっている。

バリュエーション分析|割安感は本物か

同社株の予想PERは約17.8倍で、市場平均並みの水準にある。成長期待が高い創薬株としては、むしろ控えめな倍率だ。予想EPSは約¥144、配当利回りは2.8%台と、インカム面の妙味も出てきた。時価総額は5兆円規模。下表に主要指標を整理した。

バリュエーション指標 第一三共 コメント
予想PER 約17.8倍 創薬株として控えめ
配当利回り 2.8%台 下落でインカム妙味が拡大
時価総額 約5.3兆円 国内製薬で有数の規模
次期予想 増収増益・増配 ADCが成長を牽引

注目すべきは、売られ過ぎた株価とアナリスト平均目標の大きな開きだ。前述の通り平均ターゲットは約¥4,445で、足元から7割ものアップサイドが残る。利益成長の鈍化懸念で株価が下落した一方、証券各社はADCの中長期の成長力を評価し、高い目標を据え置いている。悲観が織り込まれた今の水準は、成長株にしては明確な値ごろ感があるとみる。

強気・弱気のアナリスト見解

市場の評価軸を強気派と慎重派で対比した。論点は「ADCの成長持続」と「利益成長の鈍化」に集約される。

論点 強気派の見方 弱気・慎重派の見方
ADC抗がん剤 適応拡大で世界的に成長 競合の追い上げに警戒
パイプライン 治験の好結果が続く 開発の遅延・失敗リスク
収益 次期は増収増益に回帰 足元の利益成長が鈍化
株価水準 売られ過ぎで値ごろ感 予想据え置きで物足りず
通商環境 関税は猶予で警戒後退 医薬品関税の不確実性

強気派は、ADC抗がん剤の適応拡大と充実したパイプラインを評価し、株価下落後も高い目標を維持する。慎重派は、足元の利益成長の鈍化と、開発・競合のリスクを警戒する。実際、みずほや大和が¥5,000超の強気目標を掲げる一方、UBSは中立にとどまる。それでも大半の目標が現値を大きく上回り、評価の重心は明確に「上」へ傾いている。

目標株価とアナリストレーティング

直近の名前付き目標株価は¥3,050〜¥5,800と分布する。

  • みずほ証券:買い継続、目標株価 ¥5,800
  • 大和証券:最上位継続、目標株価 ¥5,200(2026年4月)
  • モルガン・スタンレー:Overweight継続、目標株価 ¥4,900
  • ゴールドマン・サックス:買い継続、目標株価 ¥4,300
  • UBS:Neutral継続、目標株価 ¥3,050

みずほや大和は¥5,200〜¥5,800の上値を見込み、最も慎重なUBSでも¥3,050と現値を上回る。前述の平均目標は、足元から7割のアップサイドに相当する。レーティングは買い優勢で、評価はそろって強気だ。当社が「買い」とするのは、利益成長の鈍化という悲観を株価が織り込む一方、ADC抗がん剤の中長期の成長力が評価に見合っていないと見るためだ。ただし創薬は治験の成否で振れるため、押し目を分割で拾う規律が望ましい。

今後の見通しとリスク

中期では、ADC抗がん剤の適応拡大と、乳がん・肺がん向け主力薬の世界的な浸透が、収益を押し上げる構図が期待される。抗がん剤の増産投資は、需要拡大に備える攻めの一手だ。リスク要因としては、治験の遅延や失敗、競合薬の登場、医薬品をめぐる通商・薬価環境の変化がある。当面の試金石は、四半期決算での主力抗がん剤の売上動向と、進行中の治験の結果、そして次期見通しの上振れ余地である。売られ過ぎの反動が出るかどうかは、こうした材料が握っている。

よくある質問(FAQ)

第一三共の配当はどのくらいですか?権利確定はいつですか?

権利確定は3月末と9月末の年2回で、予想配当利回りは2.8%台です。株価の下落でインカム面の妙味がやや高まりました。同社は成長投資を優先しつつ、次期は増配を予定しており、利益成長に合わせて還元を厚くする方針です。安定した配当は、成長期待とあわせて中長期保有の判断材料になります。

ADC(抗体薬物複合体)とは何ですか?なぜ注目されるのですか?

ADCは、がん細胞を狙い撃ちする抗体に、がんを攻撃する薬を結合させた新しいタイプの抗がん剤です。正常な細胞への影響を抑えつつ、がん細胞を効率的に攻撃できるとされ、次世代のがん治療として世界的に注目されています。同社はこの分野で先行しており、英アストラゼネカとの提携を通じて、主力薬の適応拡大を進めている点が成長期待の中核です。

第一三共株は1株いくらから買えますか?

売買単位は100株のため、最低投資金額はおおむね26万円前後です。新NISAの成長投資枠で購入でき、がん創薬という長期テーマに賭ける投資の対象になります。値がさすぎないため、複数の医薬品株に分散して保有しやすい点も特徴で、ディフェンシブ性を意識したポートフォリオにも組み入れやすい銘柄です。

市販薬事業の売却は業績にどう影響しますか?

同社は市販薬事業をサントリーに売却し、医療用医薬品、とりわけがん領域への集中を進めています。売却により一時的な利益が計上される一方、経営資源を成長領域に振り向けられるメリットがあります。事業の選択と集中は、収益性の高い分野に注力する狙いであり、中長期の成長戦略を占ううえで重要な動きといえます。

なぜ株価が安値でもアナリストは強気なのですか?

足元の株価下落は、目先の利益成長の鈍化への失望が主因で、ADC抗がん剤の中長期の成長力が損なわれたわけではないためです。アナリストは、治験の進展や適応拡大による数年先の収益拡大を織り込んで目標株価を算定するため、短期の失望売りとは評価の時間軸が異なります。この期待と現実のギャップが、大きな上昇余地として目標株価に表れています。

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