バンク・オブ・アメリカはマイクロンの株価目標を950ドルから1500ドルへ引き上げた。AI構築の中核でエヌビディアと並ぶメモリーメーカーに注目。
マイクロンは2026年に約300%上昇し、過去最高値を更新してきた。市場は既にサプライズを想定している。いま重要なのはポジショニングと資金フローであり、見出しの数字そのものではない。
バンク・オブ・アメリカはマイクロン(MU)の目標株価を950ドルから1500ドルに引き上げ、「買い」を継続した。これは2030年の半導体市場見通しを2兆3000億ドルから2兆7000億ドルへと上方修正し、主導はメモリーとデータセンターとしているため。
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これによりマイクロンはAIメモリー銘柄の代表格となる。高帯域幅メモリー(HBM)の3大メーカーの1社であり、他はSKハイニックスとサムスン。エヌビディアのプロセッサーがAIトレードの半分であれば、このメモリーがもう半分を担う。チップが演算を行うが、傍らに高速メモリーがなければデータ供給が止まり需要は相互に連動する。
目標株価は発表時点での投資家のポジショニングには影響しない。
オプション価格は決算発表直後に通常を大きく上回る変動を示唆する。上下いずれも約17.6%の値幅(インプライド・ムーブ)を予想しており、過去2年の平均約8%の2倍以上。
市場は通常の2倍を超える急騰・急落を織り込む。これは、300%近い上昇の後に発表される決算が大きな値動きにつながるため。
投資家は積極的に取引している。マイクロンのオプション取引高は1日で40億ドル超となり、全オプション取引の約10%でS&P500に次ぐ規模。その資金は上昇・下落いずれのポジションにもほぼ均等に分かれた。
ここ数日で構成が変化している。株価下落予想と上昇予想で構成される「プット・コールレシオ」は6月18日の1.17から0.93まで低下。特にバンク・オブ・アメリカの目標引き上げ後、上昇に賭けるコール買いが増加。
既存の取引は依然として慎重姿勢。帳簿上の契約は下落に備えるプット優位で、比率は約1.34。新規資金は強気だが、既存のポジションはリスク回避が続いている。
この分裂が、メモリー分野の資金フローを決定的要因とする。
機関投資家の動向を示すチャイキン・マネーフロー(CMF)をベースにした複合スコアで、マイクロンは首位。スコアは+1.45、CMFは+0.139。買い越しが連日優勢で、過去20日間で59%続伸した。
SKハイニックスは-0.41でCMFはマイナス転換し、価格上昇中に分配・乖離が見られるため上昇局面で売りが優勢なサインとなる。サムスンは-2.21で更に出遅れ。
相対ローテーション・マップではマイクロンがリーダー・クアドラントに位置し、韓国メーカー2社は低迷。
暗号資産トレーダーが登場すると、記憶(メモリ)主導のテーマはより鮮明になる。
Nansenのスマートマネーによる永久先物取引では、マイクロンが43のウォレットで合計約550万ドルの純ロングとなり、エヌビディアは純ショートがマイナス1600万ドル近くに達している。トレーダーはGPUメーカーではなくメモリに資金を投じている。
現物市場も同様に判断している。マイクロンは過去14日間でエヌビディアを約25%上回った。今回のAI関連銘柄の上昇局面では、メモリ関連がけん引役となっている。
マイクロン株の値動きはエヌビディアに連動し、韓国勢とは異なる。エヌビディアとの相関係数はプラス0.46と高いものの、SKハイニックスやサムスンとはややマイナス値となる。理由は明快だ。マイクロンのメモリがエヌビディアのAIチップに内蔵されているため、需給動向が一致する。一方で、韓国2社は独自の市場要因で動く。
こうした強気な見方が広がる中でも、さらなる上昇は確実とは言い切れない。
市場予想は1株当たり19.72〜20ドル、売上高は約345億ドル。好決算は織り込み済みであり、驚きではない。
株価はすでに約300%上昇し過去最高値となる。オプション市場は通常の8%に対し17.6%の値動きを示唆しており、未決済建玉も1.34程度でヘッジが継続されている。好材料は概ね織り込まれている。
強気派も慎重姿勢を崩さない。エアマントラウト・キャピタルは「決算発表後の値動きは五分五分」と予想する。市場がすでに大幅な上振れを織り込んでいるためで、「業績数値や今後の見通しに注視すべき」と警戒感を示す。
マイクロン株にとって「業績上振れ」は通過点であり、2027年の需要見通しやHBM供給契約の指針次第で、1500ドルが視野に入るか、300%の上昇が一服するかが決まる。

