ビットコイン(BTC)の需要は、CryptoQuantのデータによると2019年以降でわずか3回しか見られなかった水準まで縮小している。現物とパーペチュアル(無期限)先物の需要30日増加分は、マイナス65万BTC付近まで低下した。
Capriole Investmentsの別指標も同様の傾向を示す。ビットコインの価格が6万2800ドル付近で推移する中、Apparent Demand(見かけ上の需要)は過去4年間のレンジの下限近くにある。
同様の水準は、これまでチャート上で2回のみ確認されている。1回目は2020年初頭の新型コロナ暴落前、2回目は2022年の弱気相場の際だった。
この落ち込みはその規模だけでなく、構造も重要だ。現物需要とパーペチュアル先物需要が同時に縮小している。従って、この弱含みはレバレッジをかけた投機にとどまらないと考えられる。これは需要のアンバランスを指摘した以前のCryptoQuantの警告でも示された動きだ。
QuickTakeの投稿でCryptoQuantのアナリスト、MoneroDV_氏は、この水準は調整局面の終了ではなく、不安定なフェーズの始まりを示すと指摘した。同氏はCryptoQuantに以下のように記した。
過去の経緯からも示唆が読み取れる。マイナス65万BTC付近への深い低下は最安値ではなく、不安定なフェーズの始まりであることが多い。2020年3月や2022年末の底値付近での回復局面では、より上のサポート帯に戻ったことが重要だった。今回も類似した回復が「反転シグナル」の初動となり得る。
Capriole Investmentsのチャールズ・エドワーズCEOも、今週2つ目の弱気シグナルを指摘した。Apparent Demandは、新たな買いが新規発行コインや長期休止後の供給復帰を吸収できているかを示す指標だ。
現在、この指標はマイナス8761BTCとなっている。過去4年間レンジの下位2.6%に低迷する。30日トレンドも引き続きマイナス圏で推移し、今後7日から30日は弱含みが想定される。エドワーズCEOはXで次のように述べた。
ただし、この指標には大きな留意点もある。Capriole自身の分析によると、Apparent Demandのシグナルは短期の価格予測において予測力が弱く、先行的な相関はごくわずかにとどまる。
この数値は主要な価格変動要素ではなく、あくまで補助的な弱気シグナルに位置付けられる。この区別が、現在の弱気相場議論の中心をなす鮮明なCryptoQuantのシグナルと異なる点である。
ビットコインは本稿執筆時点で6万2833ドル付近で推移し、過去24時間で2.7%上昇している。価格は2025年末につけたサイクル最高値12万ドル超から、依然50%近く下落したままだ。
5月と6月を通して、現物型ビットコインETFからの資金流出が続き、構造的な買い手が失われた。需要増加が大幅なマイナスとなる中、再び売り圧力が強まれば新規買い手の余地は限定的となる。
6月の安値である5万9000ドル付近が現在の主なサポート水準となる。これは現値から約6%下の水準だ。これを明確に下抜けると、約5万3600ドルの実現価格まで下落するリスクがある。ここは現値から15%安であり、過去にも底値を形成した重要なエリアと見なされてきた。
一方、6万6000ドルを日足で明確に上回れば、弱気シナリオが後退し、需要回復のシグナルとなる。ETF資金の流出が反転すれば、回復の最有力要因となり得る。
それまでは、両データはいずれも同じ方向を示す。ビットコインが「麻酔」フェーズを経て5万9000ドルを守るか、またはサイクル初期の水準まで戻る展開かが焦点となる。


