欧州中央銀行(ECB)は、6月11日木曜日に政策金利を2.25%へ引き上げる見通し。2023年以来初の利上げとなる。中東情勢を背景としたエネルギーコスト高騰がユーロ圏インフレ率を目標の2%を上回る水準に押し上げた。利上げはケビン・ウォーシュ氏が初めて米連邦準備制度理事会(FRB)を率いる会合の6日前に決定される。
ECB理事会は、ユーロ圏のCPI(消費者物価指数)を押し上げる主因がエネルギー価格であると指摘する。CPIは3.2%と目標の2%を上回る。関係者の間では、年内に少なくとも追加利上げが1度あるとの見方が広がり、9月が最も有力とされる。
欧州の金利が米国金利を上回ると、資本はユーロ建て資産に流れやすくなり、ユーロ高・ドル安が進みやすい。
ドル安は米国の輸入物価を押し上げ、FRBが抑え込もうと苦心するインフレ圧力を一層高める。
ECBの決定は、米国のヘッドラインCPIが4.2%と、FRBの2%目標を大幅に上回る状況下で下された。
FRBは本年3度連続で、政策金利を3.50–3.75%へ据え置いている。ウォール街では6月17-18日のFOMC会合でも据え置き確率が97%と見込まれている。
しかし、今月初めてFOMCの議長を務めるケビン・ウォーシュ氏は、「インフレ抑制におけるレジームチェンジ」を約束した上で、世界的な金融引き締め維持が求められる環境に臨む。
ECBの決定は、単なる利上げにとどまらない。エネルギー主導のインフレは粘着性を示し、主要中銀は金融緩和の見通しを明示できない状況が続く。
ゴールドマン・サックスはFRBの利下げ予想を2026年末から2027年初め以降に先送りした。米国のコアインフレ率が年内も3%近辺にとどまると見ているため。
クリーブランド連銀のベス・ハマック総裁は、「インフレ定着の決定的証拠」を待つ場合は、「より大掛かりな政策調整が、より大きなコストとともに必要になる」と警告している。
FRB自身の「高金利長期化」シグナルには欧州からも追認が加わった。ビットコインも利下げ観測の剥落とほぼ連動し、5月中旬の8万2000ドル超から6万ドル台前半まで下落した。
6月17–18日が次の重要イベント。ウォーシュ氏の初会見での発言内容が、今回の利上げサイクルがさらに続くかどうかを市場に示すことになる。


